telnetを維持したままHDDを4本LinkStationに戻す方法【完全復活】
Windows10からアクセスしているうちに、壊れてしまったLinkStation。
前回まで、パソコン上のUbuntuで取り出したハードディスクを復旧させていましたが、今回はそれをLinkStationに戻します。
Ubuntu上でのハードディスク復旧に時間がかかったので、LinkStationに電源を入れるのは久しぶりです。
これまでのLinkStation、RAID5、Ubuntuでの知識を総動員して復旧するので、総集編のような内容になります。
今回はtelnetからログインできる状態を維持したまま、arrayエリアはRAID1として、まっさらの状態で作り直しています。
LinkStationへのハードディスク搭載
4本のハードディスクを全てLinkStationに戻します。
順番を間違わないように注意します。
なお、RAID5で使われていた/dev/sd[bcd]6 は全てバラバラに xfs でフォーマットしておきました。
データ領域は全て消えていますので、Web管理画面からRAIDの設定をし直しても安心です。
LinkStationの電源投入
電源を入れると、最初、ひたすらファイルシステムチェックを行います。
これが終わるまでに20分くらいかかります。
心配な場合は、NAS Navigator2 を起動して、状態確認メッセージを読みます。
順番に、ディスクチェックをしていることが分かります。
telnetログイン
ファイルシステムチェックが終わると、以前作った仕掛けが上書きされていなければ、rootでログイン出来るはずです。
無事、ログイン出来ました。
注)Ubuntuで起動している時はSSHを使っていましたが、LinkStationのOSはSSHが入っておらずtelnetのみが使えます。
あとはずっとログインしたままで、作業を続けます。
Web管理画面ログイン
コマンドラインから確認すると、ディスクのマウントに失敗していることが分かりました。
仕方ないので、LinkStationの管理画面から、ディスクのフォーマットをかけてみます。
フォーマットはあっという間です。
フォーマットに成功すると、自動的にマウントされました。
ファイル共有の設定
ディスク1は最初からマウント成功していたのですが、驚いたことにルートディレクトリに作っておいた全てのフォルダが、バラバラにファイル共有されていました。
telnet側から見ると、/etc/samba/smb.conf に大量の定義がありました。
邪魔なのでWeb管理画面から共有の設定を消そうとしたら「中身もすべて削除されます」と言われて、その操作は中止。
そこで、telnet側から、フォルダの中身だけを、残したいフォルダの配下に移動し、空っぽになったフォルダのファイル共有設定削除をWeb管理画面から実行しました。
フォーマットをかけてディスク2は、新たにファイル共有の設定を新規作成。
すると、telnet側から確認すると、新しくフォルダも作成されていることが確認出来ました。
LinkStation の動きを裏から覗いているような気分で、なかなか面白いです。
telnet出来るようにするハッキングは、知識のある人にはお勧めです。
RAID1設定
ディスク3とディスク4はRAID1として復活させます。
(今回の故障騒ぎでRAID5にはこりごりなので、壊れた時にサルベージしやすいRAID1を選択しました)
マウントエラーがそれぞれ出ていましたが、単体マウントさせてもしょうがないので、エラーメッセージは無視し、RAIDの設定をWeb管理画面から行います。
array1がまだ空いているのでそこに設定しました。
設定を入れるとしばらく待たされます。buildしている間ずっと待たされるのかと思ったら、ものの3分くらいで、設定は完了しました。
早過ぎる気がしたので、telnetに移動して、状態を確認します。
/proc/mdstat に mdadm の状態が表示されます。
# cat /proc/mdstat
Personalities : [raid0] [raid1] [raid6] [raid5] [raid4]
md2 : active raid1 sdd6[1] sdc6[0]
968759552 blocks [2/2] [UU]
[<....................] resync = 0.4% (3972992/968759552) finish=324.1min speed=49526K/sec
md1 : active raid1 sdb2[1] sda2[0] sdd2[2] sdc2[3]
5004160 blocks [4/4] [UUUU]
md10 : active raid1 sdb5[1] sda5[0] sdd5[2] sdc5[3]
1003904 blocks [4/4] [UUUU]
md0 : active raid1 sdb1[1] sda1[0] sdd1[2] sdc1[3]
1003904 blocks [4/4] [UUUU]
unused devices: <none>
#
しっかり5時間ほどかかると表示されています。
どうやら、RAID1というものは、resyncしている最中でも先行して書き込みが出来るようです。
RAID5に比べると、使い勝手も良いのですね。
試しに共有フォルダを追加してみます。 ⇒ 成功しました
では作ったばかりですがフォーマットしてみます。 ⇒ 成功しました
何でも出来るようです。
当然、共有フォルダは消えていますので、もう一度作り直します。
これで、もうRAID1の領域も、WindowsパソコンからNASとして自由に使えるようになりました。
LinkStationのメール通知機能
LinkStationはまた壊れると考えるべきであり、予兆を知るためには「メール通知」は必要です。
LinkStationにはメール通知機能があります。
実は私も当初このメール通知を使っていたのですが、あまりにも大量にメールが届くため、うざくなって止めてしまったのです。
でも、今回はしっかり長く使いたいので、設定しましょう。
DNSサーバの設定
まず、メールサーバのアドレスをFQDNで書きたいので、DNSサーバの設定を行います。
「ネットワーク」⇒「IPアドレス設定」
の所にあります。通常は家庭のブロードバンドルーターがDNSプロキシを行っていますので、ルーターのIPアドレスつまり192.168.10.1などがDNSサーバアドレスになります。
メール通知設定
次に「メール通知設定」です。
「メンテナンス」⇒「メール通知設定」
にあります。
項目が多いので結構びびります。
でも、多くのプロバイダで、だいたい同じような値を使っていますので、ここではGmailを使っている人向けに解説します。
SMTPサーバアドレス: smtp.gmail.com
SMTPポート番号: 465
ユーザ認証方式: login(SMTP-AUTH)
ユーザ名: メールアドレスをフルで書きます
パスワード: いつも使っているパスワードを入力
SSL/TLS: SSL の方にチェックを入れます
送信先メールアドレス: 自分自身のメールアドレスで大丈夫です。自分から自分にメールを送っているイメージになります。これが一番確実なので。
送信条件設定: 全部にチェックを入れます(うざくなったらまた調整すれば良いです)
HDD状態送信時刻: デフォルトは0時のようですが、必要に応じて変えます。
ここまで入れて「テストメール送信」をクリックし、メールが届いていることを確認します。
「設定」を押して完了です。
コツは、LinkStationはWebページのタイムアウトが結構早いので、設定をメモ帳に書いておいて、一気に設定することです。
以上でハックしたハードディスクをLinkStationに戻して、telnetを維持しつつ、Web管理画面も使えるようになりました。
あとは普通に使えます。
この道のり、長かったですね。
Windows10にアップグレードしたら、LinkStationのHDDが壊れて立ち上がらなくなり、パソコンからLinuxの機能を駆使して完全復旧させた私の体験の一部始終を読みたい方は、以下の記事から進んで下さい。