LinkStation LS-QL/1Dの内蔵HDDが壊れたため、パソコン上のUbuntuを使って復旧しています。
Ubuntuはレスキュー用を使っているため、デフォルトではあまりパッケージが入っておらず、普通の条件よりも手間がかかっています。
例えば、日本語のファイル名が使えない状態だったため、追加パッケージを入れました。
ファイルが見れるようになったので、次はWindows10パソコンからUbuntuをファイル共有で見れるようにすることにしました。
こうすることで、復旧中のHDDの内容をWindows10パソコンにコピー出来るからです。
Ubuntuでファイル共有を動かすには「Samba」を使います。
本記事では、Ubuntuにsambaを導入し、ファイル共有が出来るようにする手順をご紹介します。
クライアントパソコンにはWindows10を使って行いました。
Ubuntuへのファイル共有パッケージ(samba)のインストール方法
Ubuntuのパッケージ追加には、「apt-get install」を使います。
# apt-get install samba
<中略>
以下のパッケージが自動でインストールされましたが、もう必要とされていません:
apturl apturl-common
これを削除するには 'apt-get autoremove' を利用してください。
以下の特別パッケージがインストールされます:
attr libaio1 libhdb9-heimdal libkdc2-heimdal libsmbclient python-dnspython
python-samba samba-common-bin samba-dsdb-modules samba-libs
samba-vfs-modules tdb-tools
提案パッケージ:
bind9 bind9utils ldb-tools ntp smbldap-tools winbind heimdal-clients
以下のパッケージが新たにインストールされます:
attr libaio1 libhdb9-heimdal libkdc2-heimdal python-dnspython samba
samba-common-bin samba-dsdb-modules samba-vfs-modules tdb-tools
以下のパッケージはアップグレードされます:
libsmbclient python-samba samba-libs
アップグレード: 3 個、新規インストール: 10 個、削除: 0 個、保留: 246 個。
7,044 kB のアーカイブを取得する必要があります。
この操作後に追加で 16.5 MB のディスク容量が消費されます。
続行しますか? [Y/n] y
<中略>
samba (2:4.1.6+dfsg-1ubuntu2.14.04.9) を設定しています ...
smbd start/running, process 17370
nmbd start/running, process 17410
samba-ad-dc start/running, process 17447
attr (1:2.4.47-1ubuntu1) を設定しています ...
samba-vfs-modules (2:4.1.6+dfsg-1ubuntu2.14.04.9) を設定しています ...
libc-bin (2.19-0ubuntu6.6) のトリガを処理しています ...
ureadahead (0.100.0-16) のトリガを処理しています ...
ufw (0.34~rc-0ubuntu2) のトリガを処理しています ...
#
途中YESを押す必要はありましたが、インストールの延長で設定と起動までしてくれました。
Ubuntuのsambaパッケージは賢いですね。とてもよく出来てます。
psコマンドでsambaのプロセス(smbd)が実行されているかを確認します。
# ps agx | grep smb
17370 ? Ss 0:00 smbd -F
17377 ? S 0:00 smbd -F
17470 pts/26 S+ 0:00 grep --color=auto smb
#
プロセスも居ます。大丈夫そうです。
Ubuntuのファイル共有(samba)の設定手順
Ubuntuのファイル共有パッケージ(samba)のインストールと起動が終わったので、次は設定に入ります。
今回の設定では、共有先のパソコンは限定しませんが、参照する時に「ユーザID」と「パスワード」を聞かれるようにします。
こうすることで、Windows10からの参照が可能になります。
「ユーザID」「パスワード」を聞かれない共有方法もありますが、これは古いsambaの機能でありWindows10との相性が悪いです。
必ずユーザ設定をして下さい。
# vi /etc/samba/smb.conf
追加する行はこんな感じです。
[share]
comment = share
browseable = yes
path = /mnt/array2/share
printable = no
writable = no
guest ok = no
read only = no
create mask = 0700
安全のため、書き込みやゲストは不許可としています。
「guest ok = yes」にしてしまうと「ユーザID無し」「パスワード無し」で接続出来ますが、Windows10では接続が困難になりますので、必ず「guest ok = no」で使って下さい。
次にパソコンで主に使っているユーザ名をsambaに追加します。
ここでは「fujimori」を追加する例を書きました。
adduserコマンドが感覚的に分かりやすいです。
# adduser fujimori
ユーザー `fujimori' を追加しています...
新しいグループ `fujimori' (1000) を追加しています...
新しいユーザー `fujimori' (1000) をグループ `fujimori' に追加しています...
ホームディレクトリ `/home/fujimori' を作成しています...
`/etc/skel' からファイルをコピーしています...
新しい UNIX パスワードを入力してください:
新しい UNIX パスワードを再入力してください:
passwd: password updated successfully
Changing the user information for fujimori
Enter the new value, or press ENTER for the default
Full Name []: fujimori
Room Number []:
Work Phone []:
Home Phone []:
Other []:
以上で正しいですか? [Y/n] y
#
# smbpasswd -a fujimori
New SMB password:
Retype new SMB password:
Added user fujimori.
#
これで fujimori が追加されました。
設定した内容を反映するには、samba を再起動すると手っ取り早いです。
# initctl restart smbd
smbd start/running, process 21188
#
これでWindows10パソコンから見れるようになります。
Windows10パソコンからデータのコピーを行う環境作りは以上です。
Windows10にアップグレードしたら、LinkStationのHDDが壊れてEMモードにすらならずにハマってしまったけれど、Linuxの機能を駆使して完全復旧させた私の体験の一部始終を読みたい方は、以下の記事から進んで下さい。
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